九州大学伊都キャンパス近く ~ハスノハナメディカルケアオフィスより~
糖質制限とは、「炭水化物」を制限することでダイエットしたり、糖尿病などの生活習慣病を予防する目的でよく行われる健康法です。
しかし専門家によっては、「糖質制限は意味がない。」「危険なやり方だ。」「逆に体調が悪くなる。」と反対派の方もいらっしゃいます。
実際の所どうなのでしょう?
何か特別な疾患を持っていない事が前提ですが、糖質制限は年齢によって善し悪しがあります。
これは体の代謝メカニズムが年齢と共に変わってくるという事が関わっています。
▼若者の糖質制限はNG!!
10~30代ぐらいの方がダイエット目的で糖質制限する事がありますが、これはやめた方がいいです。
人間の主なエネルギー源は、炭水化物(糖質)・脂質・タンパク質ですが、特に10~30代は解糖系といって糖質を分解してエネルギーにするというシステムが体のメインエンジンになっています。(20代をピークに、50才ぐらいまでは解糖系がメイン)
この年代の方が糖質を必要以上に制限したり抜いたりすると、メインのエネルギー源がなくなるのでその代わりに、筋肉分解が起こります。
これは筋肉からタンパク質を分解して糖に変えるという方法なので、筋肉がすごく落ちてしまいます。
すると、痩せたけど老けたような痩せ方をしてしまったり、ほうれい線が出てしまったりと、健康的な痩せ方をしません。
また単純に筋力も落ちるため、基礎代謝や体温が下がり免疫も落ちてしまいます。結果、病気になりやすくなってしまいます。
若い年代の方が糖質を必要以上に抜くことは危険な事になりますので、最低限はしっかり摂取するようにしましょう。(1日最低でも140グラムは必要だと言われています。)
▼50才を過ぎたら炭水化物は要注意!!
50才を過ぎた頃から、メインエンジンが解糖系からミトコンドリア系に切り替わってきます。
ミトコンドリア系は脂質やタンパク質を分解してエネルギーにするシステムです。
そのため以前のように炭水化物を取っていると、エネルギーとしてメインで使われないのでどんどん体の中に蓄積してきます。いわゆる「中年太り」の原因になりやすいです。
50才を過ぎてから、「食べる量はそんなに変わってないのに太ってきた」という方は、炭水化物を取り過ぎているかもしれませんね。
さらに糖が体の中に溜まるわけですから、糖尿病のリスクも高まってしまいます。中性脂肪やコレステロールの数値なんかも高くなりやすいです。
白ごはんをたくさん食べる。麺類をよく食べる。甘い物が大好き。ラーメンライスが大好き。ビールをよく飲む。という方は気をつけて下さい。
他の生活習慣病にもなりやすくなってしまいますしね。
対処法は?
炭水化物系を摂取するのは、昼・夜の2食にすると良いですよ。朝は消化に良い物(フルーツ・お粥・お味噌汁など)を食べたり、水分をしっかり取るぐらいで十分です。
というのも、体のメカニズム的に「朝」は体の中に溜まった毒素を外に出す時間です。それなのに朝からたくさん食べると、毒素が外に出にくくなってしまい、さらに体の中に蓄積してしまいます。
なので朝は少量にしておいた方が健康状態が良くなりますよ。そもそも昔は人間1日2食でしたしね。
現代人が体を悪くする要因の一つが「飽食」です。取り過ぎて悪くなることの方が多いので、少しずつ栄養の取り方は気をつけましょう。
▼やっぱり運動は大切??
ミトコンドリア系は酸素がないと働きませんし、体温が低くても働きません。なので適度な運動で筋力を活性化させたり、たくさん呼吸をするような活動は必要不可欠です。
これからの時期も、コロナやインフルエンザなどと戦わないといけませんので、年齢に応じた適切な食生活、適度な運動、質の高い睡眠で免疫力をしっかり上げておきましょう!