10代に多い「腰椎分離症」とは? 治療は何をする? 
2019.02.25
腰痛スポーツでくり返す痛み

当院でも時々出会う「腰椎分離症」。そのほとんどが10代でスポーツをしている子ばかりです。

腰椎分離症とは、腰骨の疲労骨折の事です。ジャンプ動作や腰の過度な回旋をくり返す事で腰椎に負荷がかかり続け、疲労骨折が生じると言われています。

第5腰椎が疲労骨折する事が多く、ひどくなると腰だけでなく足の痛み・シビれも引き起こします。

こんな恐ろしい腰椎分離症ですが、計画的に治療していくことでしっかり治ってくれます。

まず発症のメカニズムをご理解いただくと治りやすくなりますので、簡単にご説明しますね。

 


●メカニズム① 成長期の身体的特徴。

成長期には、まず骨が先に伸びます。遅れて筋の長さが追いついてゆきます。

これがくせ者!!

筋の長さが追いつくまでの間は、骨格に対して筋は短いと言う事になります。

骨格に対して筋が短いという事は、筋肉がパンパンに張り、関節の動かせる範囲が狭くなってしまいます。

特に下肢(足首・膝・股関節・骨盤)には著明に現れます。

そのため運動の際、関節の構造上安全な位置でコントロールできずに、膝を内外へあおるように使ったり、腰を過度に曲げ伸ばしする事でかばいます。

その結果、膝であればオスグッド(いわゆる成長痛)、腰であれば今回のテーマである腰椎分離症・すべり症・ヘルニアなどの症状へと発展してしまいます。

 

治療のポイント

ただでさえ筋が張りやすくなっていますので、「ストレッチ習慣をつける」ということが大切です。

部活などでは時間が限られているせいか、体のケアが疎かになっているケースも少なくないようです。

練習前や自宅で自主的に取り組むことも大切です。

ストレッチの仕方・部位などは、専門家にきちんとした指導を受けるのをお勧めしますが、なかなか治療に行く時間がないという方は、次のことを守って下さい。

  1. 強い痛みを出さない。
  2. 呼吸を止めない。
  3. じっくり待つ。・・・1箇所短くても40秒はキープしましょう。

 

 


●メカニズム② 腰が動きすぎている。

上記の続きになりますが、下肢が上手く動かない分を腰でかばってしまいます。その結果、腰にストレスがかかり続け疲労骨折してしまいます。

「痛いところに原因はない。」

過去のブログでも一貫してお伝えしていますが、腰椎分離症にも当てはまる事です。

例えば「体を反る」という動き。

股関節=50 腰=50 背中=50 計150動かないと、腰が反れないとしましょう。

腰痛などのケースでは、股関節=30 腰=90 背中=30 というような事が起こっています。

つまり腰は限界を超えて動いているのです。

すると体を反ったときに、腰は動きすぎるため腰骨同士がぶつかってしまい、ダメージが蓄積 → 疲労骨折へと陥ってしまいます。

腰椎分離症だけでなく、ヘルニアや腰痛も同じようなシチュエーションで起こります。

 

治療のポイント

腰ではなく、腰が動きすぎてしまう「原因」に対して治療します。

この原因は人それぞれ違います。

上記のように下肢のどこかに原因があるケースもあれば、首や肩甲骨のせいで腰にストレスがかかっているケースもあります。

原因を見つけるという事が治療では最も大切になりますので、これに関しては専門家に調べてもらいましょう。

原因が見つかればそこに対しての治療と、自宅でできるセルフケアをこなしてもらう事で早期の回復が見込めますよ。

 


そして痛みがなくなったらハイ終わり!・・・ではありません。

ここからは競技復帰のための、リハビリが大切です。

リハビリと言ってもただ筋トレするということではなく、「効率のいい体の使い方」を定着させます。

ここまでやると、故障再発を防げる事はもちろん、運動のパフォーマンスも向上します。

話すと長くなりますので、リハビリのお話はまた次の機会に!

ともあれ、腰椎分離症でお悩みの方は一度ご相談下さい。なかなか治療に行きづらい・・・という方は、お電話でのご相談でも結構ですよ。

お待ちしております。

 

 

 

 

 

 

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