現在、陸上長距離界を席巻する「ヴェイパーフライ」いわゆる厚底シューズといわれている物です。
先日の東京マラソンで日本記録を更新した大迫選手はもちろん、トップランナー達はほぼこのタイプのシューズを履いていますね。一般ランナーの方も、最近はこのシューズを履いている方も多いですよね。
▼なにが凄いの?
まず履くだけで、「走る」という動作を助けてくれる事にあります。
①踵の接地では厚い靴底が地面からの衝撃を緩和します。
②靴底前方に向けた傾斜はスムーズに爪先へと重心移動を促し、
③爪先で地面を蹴る瞬間には、カーボンプレートがしっかり反発してくれる。
それにより自然とストライドも広がって、脚の回転もスムーズになる事でしょう。
いやーナイキは凄いですね。流行るわけですよ。履くだけでこれだけの動作を助けてくれるんですもん。
当院でも一般ランナーの方で、ヴェイパーフライに履き替えたという方が多くいらっしゃいます。しかしそれがキッカケで、膝やハムストリングス、ふくらはぎなどを故障してしまったという方もいます。
何でかなぁと考察していたところ、どうやらこの靴を履きこなすためには、ある条件をクリアしなければいけないという事に気づきました。
▼ヴェイパーフライを履きこなすための条件。
結論から言うと、「股関節の可動性」と「骨盤前面の支持性」です。
履けば自然とストライドが広がると言いましたが、裏を返せば強制的にストライドが広がるということです。
①股関節の伸展方向への可動性(脚を後ろに送り出す時に必要な可動性)と、
②その起点となる骨盤の安定に必要な下腹部の支えが足りないケースでは、
自分の体の限界を超えてストライドが広がるため、フォームが狂ってしまいます。
例えば腰が反りすぎてしまったり、膝から下を回して走ったり(設楽選手みたいな感じ)、着地が強くなったり・・・。その結果、故障してしまいます。
逆にいえば、股関節と体幹の問題がクリアできればこのシューズの力を存分に引き出せます。
▼カギはこの2ヶ所。
①股関節の可動性を広げるストレッチ。
まずは股関節前面のストレッチで伸展方向への可動性を広げます。1回30秒、痛くない程度の軽い伸ばし幅でストレッチしましょう。2~3週間は毎日続けて下さい。
②骨盤前面の支持性。
走るために体幹を鍛える場合、お腹の筋肉が働くシチュエーションが大切です。単純な腹筋運動ではあまり効果がありません。
股関節の運動の際に骨盤が固定されるような運動課題であることが重要です。ここでは脚が後方へ引き伸ばされても、骨盤がぶれないような体幹の強さを作ることが目的ですので、こんな運動がいいですよ。↓↓
ヴェイパーフライにはランニングフォーム矯正効果があるのだと思いますが、それに沿うことができないほどの身体の癖があると、故障もしやすいのだと思います。
新たな技術に身体が負けないように鍛えておかなければいけませんね。
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